近所に割とよく行く立ち飲み屋がある。
常連客が多い店で、私が行くといつもいる人達がいた。いつもいるので自然と顔も覚えてしまって、妻とも「あの人たちいつもいるよねー」みたいな話をしていた。
その中に本当によく見るおっちゃんがいた。私たちが行く時はほぼ10割に近い確率でいるのだ。そしていつも緑茶ハイを飲んでいる。そんなことも覚えてしまった。
そんなよく行ってた店だが、コロナの影響は当たり前に受ける。その店も閉店や持ち帰りのみの営業がかなり続いた。
そして2021年の秋に緊急事態宣言が終わってからその店も店内営業を再開した。
再開してから暫く経って店内飲食の為に行ってみた。テイクアウトは繁盛している様子だったが、店内にはあまり人はいなかった。そしてよく見る常連もいなかった。おっちゃんもいなかった。
たまたまいない日だったのかなと思ったが、次に行った時もいなかった。
「あのおっちゃんいないねー」などと妻と話した。コロナで生活が変わってしまったのか。
そんな感じで久しぶりに行った先日、前にいた常連はいたがその日もおっちゃんはいなかった。
あまりお腹が空いてはいなかったのでちょっとだけ食べて飲んで帰ろうと扉を開けようとしたその時である。
例のおっちゃんが入ってきたのだ。
生きてた！思わずそう思ってしまった。
全く話したこともないおっちゃんだが、なんとなく以前の店の雰囲気になったような気がした。
